住宅の外壁をチェックするときに「サイディング」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。でもサイディングが実際にどんな外壁材なのか、よくわからないという方も少なくないのではないでしょうか。
サイディングは現在、日本の住宅の外壁として最も使われている材料で、新築戸建ての約90パーセントで採用されています。何がそんなに人気なのかというと、施工が比較的簡単で、費用も抑えられるということが大きな理由です。
外壁が傷んで塗装できるか心配な方にもおすすめです。
今回はそんなサイディングについて、解説していきます。
目次
サイディングとは何か
サイディングは、板状の外壁材を重ね合わせて張り付ける工法です。昔ながらのモルタル塗装と違い、工場で作られた製品を現場で組み立てるため、品質が安定しており、工期も短くて済みます。
サイディングという言葉は、英語の「siding」から来ています。建築用語として使われるようになったのは比較的最近で、日本では1990年代ごろから普及し始めました。
それ以降、ずっと人気が高まり続けており、今では新築住宅の約90パーセント、全体で見ても最も多くの住宅で採用されています。
サイディングが選ばれる理由は、単に費用が安いからだけではありません。
デザインの種類が豊富で、石目や木目、タイル調など、様々な雰囲気を表現できることも大きな魅力です。さらに、施工期間が短いため、工事による生活への影響を最小限に抑えられるという点も、多くの施主に支持されています。
サイディングが選ばれ続ける理由
まず第一に、サイディングは既製品です。工場で一定の品質基準に基づいて作られているため、現場での施工品質がモルタルよりも安定しています。職人の腕前に左右されにくいという点は、消費者にとって大きな安心につながります。
次に、施工スピードです。モルタル外壁は塗装に何度も重ね塗りが必要で、乾燥時間もあるため、工期が長くなってしまいます。一方、サイディングは既に成形された板を張り付けるだけなので、工期を大幅に短縮できます。
そして、デザイン性の豊かさも見逃せません。メーカーが様々なデザインを用意しており、自分の好みや家のコンセプトに合ったサイディングを選ぶことが可能です。
サイディングの主な4つの種類
サイディングには複数の種類があり、素材や特性によって分類されます。それぞれに異なるメリットとデメリットがあるため、自宅の立地や予算に合わせて選択することが大切です。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメントと木質繊維を混ぜて製造される外壁材です。現在、日本の住宅外壁の大多数がこのタイプであり、全体の約78パーセント程度を占めています。
窯業系サイディングが人気の理由は、何といっても費用の安さです。他のサイディング材と比べると、施工費用は最も手頃な価格帯に設定されています。また、デザインの種類も最も豊富で、石目調、レンガ調、板目調など、様々な表現が可能です。
窯業系サイディングのメリットは下記の通りです。
- 費用が安く、導入しやすい
- デザインの種類が非常に豊富
- 断熱性能や遮音性が程よくある
- 施工が簡単で工期が短い
しかし、窯業系サイディングにもデメリットがあります。素材がセメントベースであるため、吸水性が高く、防水性が低いという特性を持っています。そのため、塗装によって防水機能を補う必要があり、定期的なメンテナンスが欠かせません。一般的には、10年前後を目安に塗装のやり直しが必要とされています。
また、寒冷地では凍害の影響を受けやすいという課題もあります。福井県などの雪が多く降る地域では、サイディングの表面に付着した水が凍ったり溶けたりを繰り返すことで、素材が劣化していく可能性があります。
金属系サイディング
金属系サイディングは、アルミニウムや鋼板などの金属に、断熱材を組み合わせたサイディング材です。軽量で耐久性が高く、最近注目度が高まっています。
金属系サイディングの最大の特徴は、その軽さです。重さは窯業系の約5分の1程度で、既存の外壁の上から重ね張りができるリフォームに特に適しています。既存外壁を撤去する手間や費用が削減できるため、リフォーム工事全体のコストダウンにつながります。
金属系サイディングの強みは下記の通りです。
- 非常に軽いため、建物への負荷が少ない
- 防水性が高く、吸水しない
- メンテナンス周期が長い
- リフォームに最適で、重ね張り施工が可能
また、防水性が高いということは、サイディング自体が水を吸収しないため、塗装の劣化に強いという利点があります。
メンテナンス周期も長く、10年から15年程度が再塗装の目安です。この周期で適切に塗り替えを行うことで、外壁全体の耐用年数を30年から40年と、長期にわたって維持でき、これにより経済的な選択肢となる可能性があります。
ただし、金属系サイディングにも弱点があります。金属であるため、傷がついた場合に錆が発生するリスクがあります。特に、沿岸地域で塩分の多い環境では、錆対策がより重要になります。
また、断熱材を組み合わせているため、素材としては比較的高価です。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、塩化ビニール樹脂でできた外壁材です。北米ではポピュラーですが、日本ではまだ使用割合が少ない素材です。
樹脂系サイディングの特徴は、防水性が非常に高く、塗装の劣化を気にせずに使い続けられることです。素材そのものが防水性を持っているため、塗装の塗り替えが基本的には不要です。
メンテナンスは主に汚れ落とし程度で済み、長期的にはメンテナンス費用が最も少なくなります。
また、軽量で耐久性が高く、色褪せにも強いという特性があります。デザイン性と機能性の両面で優れており、今後人気が高まっていく可能性がある素材です。
しかし、導入費用は高く、施工実績も少ないため、信頼できる施工業者を見つけることが課題です。
木質系サイディング
木質系サイディングは、天然木を加工したサイディング材で、自然な風合いが特徴です。高級感があり、見た目の美しさを重視する方に選ばれています。
木の温かみある表情を活かしながら、現代的なデザインを実現できることが大きな魅力です。また、調湿性能があるため、室内の湿度を自然に調整する効果も期待できます。
ただし、木質系サイディングは定期的な塗装メンテナンスが必須です。木材は水分を吸収しやすく、紫外線の影響も受けやすいため、腐食や反りを防ぐために3年から5年ごとの塗装が必要になります。
また、シロアリ対策も重要であり、防蟻処理を施した製品を選ぶことが大切です。
サイディングの塗装方法と手順
サイディングの塗装は、ただ塗料を塗ればよいというわけではありません。正しい手順を踏まえることで、塗装の耐久性が大きく変わってきます。
塗装前の準備作業
塗装で最も大切なのは、実は塗装前の準備作業です。この段階で手を抜くと、どれだけ良い塗料を使っても、塗装の耐久性は低下します。
まず行うのは、外壁の洗浄です。サイディング表面には、年月の経過とともに、ホコリ、コケ、苔、カビなどが付着します。これらをきれいに落とさずに塗装すると、塗料が外壁に密着せず、剥げやすくなります。
高圧洗浄機を使って、丁寧に汚れを落とすことが基本です。
次に、ひび割れのチェックと補修が必要です。サイディングのひび割れをそのままにして塗装すると、ひび割れから水が侵入し、内部の構造材を腐らせる原因になります。
細かなひび割れはコーキング材で埋め、大きなひび割れは場合によってはサイディング交換が必要になることもあります。
塗装前のチェック項目は下記の通りです。
- 外壁全体を高圧洗浄で汚れを落とす
- ひび割れをコーキング材で補修
- サイディング目地のコーキング状態をチェック
- 塗装面の乾燥を確認(降雨後は最低3日待つ)
- 飛散防止ネットや養生シートの設置
また、サイディング同士の継ぎ目に入っているコーキング材(シーリング材)の状態も確認します。このコーキング材が劣化していると、そこから雨水が侵入してしまいます。
コーキング材が剥がれていたり、ひび割れていたりする場合は、打ち替えが必要です。
塗装の下地処理と施工方法
外壁を洗浄した後、下地調整塗料(プライマー)を塗装して密着性を高めます。
プライマーの役割は外壁と塗料の間に密着性を作ることで、これを省くと塗料が剥げやすくなります。サイディングの種類によってプライマーを使い分ける必要があり、使う塗料メーカーの指定プライマーを使うことが品質を保証する上で重要です。
サイディングの塗装方法は刷毛塗り、ローラー塗り、吹き付け塗装の3種類があります。実際の施工では、広い面積はローラーで効率的に塗り、細部や窓周りは刷毛で丁寧に塗るなど、方法を組み合わせることが多いです。
塗装時は気温が5℃以下や湿度が85パーセント以上の場合は施工を延期し、塗料メーカーが指定する気象条件の範囲内での施工が品質を守るための基本です。
塗装後の乾燥と養生
塗料の表面は数時間で乾きますが、内部まで完全に硬化するには1週間から2週間の時間がかかります。
この期間中に雨が降ったり気温が低かったりすると、硬化時間がさらに長くなるため、塗装後の数日間は外壁に触ったり物をぶつけたりしないよう注意が必要です。
サイディング選びと塗装の注意点
サイディングを選ぶ際には生活環境や予算を考慮し、その後の塗装メンテナンスも視野に入れることが大切です。また、塗装を検討する際は、業者選びから施工管理まで、複数の段階で注意が必要です。
環境に合ったサイディング選び
沿岸地域では金属系や樹脂系が適しており、福井県などの寒冷地では凍害対策がされた窯業系か金属系が選ばれることが多いです。
一方、費用を重視する場合は窯業系が選ばれますが、10年前後ごとの塗装が必須であることを理解した上での判断が大切です。
初期費用だけでなく、メンテナンス費用も含めた生涯コストで総合的に判断することが、後々の後悔を防ぐポイントです。
業者選びのポイント
サイディング塗装の品質は、業者の経験と技術力に大きく左右されます。安い見積もりだけで業者を決めるのは、後々のトラブルの原因となりやすいです。
信頼できる業者を見つけるには、過去の施工実績を確認することが大切です。特に自宅と同じサイディング材の施工経験があるかを聞きましょう。
見積もりの内容も「一式」ではなく、下地処理、塗料代、工賃が明細に分かれているものが望ましいです。複数の業者から見積もりを取り、相場を把握することも重要です。
よくある失敗例と対策
サイディング塗装で多く見られる失敗は、下地処理の不十分さです。
高圧洗浄やコーキング補修をスキップすると、後々の剥げや腐食につながります。
また、窯業系に樹脂系塗料を使うなど、相性の悪い塗料選びも失敗の原因になります。施工時期も重要で、雨の日や気温が極端に低い時期の施工は品質低下を招きます。
まとめ
サイディングは、現在の日本住宅で最も一般的な外壁材です。窯業系、金属系、樹脂系、木質系の4つの種類があり、それぞれに異なる特性があります。自分たちの生活環境と予算に合わせて、最適なサイディング材を選ぶことが重要です。
また、サイディングの長期的な耐久性を保つためには、定期的な塗装メンテナンスが不可欠です。
塗装を検討する際は、信頼できる業者を選び、下地処理から施工管理まで、細かな部分に注意を払う必要があります。
適切な塗装を行うことで、サイディング外壁は20年以上もの間、美しく保つことができるのです。
福井でサイディング塗装なら、後藤塗装へ
サイディング塗装は、素材選びから施工方法まで、様々な知識が必要な工事です。正しい知識を持つ職人のサポートは欠かせません。
後藤塗装は、福井県を中心に北陸三県でサイディング塗装の施工実績を重ねてきました。外壁の状態を丁寧に診断し、それぞれのご家庭に合った最適な塗装プランをご提案いたします。
「今のサイディングの状態が心配」「塗り替えの時期がわからない」「どのサイディング材を選べばよいかわからない」といったご相談にも、専門家として丁寧にアドバイスさせていただきます。
多くの施工実績から得た知識と技術を活かし、皆様のご住宅に最適な塗装を実現いたします。サイディング塗装についてのご質問やご不安があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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